類司
心臓をなでるみたいにやさしくされて、甘やかされてひとつになる。それってどんな気分なんだろう。それを知るのがほんの少しだけこわかった。本当は、きみの隣で眠るだけでよかったんだ。僕はいつのまにか、怪物になってしまった。幾許かの暗い闇が僕の中を渦巻いている。きっと君はやさしいから、僕のことを抱きしめて、いいよ、と口にしてくれるんだろうね。そのことを考えるだけで思わず涙がにじんで、僕は立っていることさえも難しくなってしまう。司くんは当たり前みたいにして、いとも簡単に、僕を溶かして飲み込んでしまうから。許さないでいてください。胃の中で毒となった僕が、君の身体を蝕んでしまわないように。
8月 31, 2022