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No.15

類司


 類の歌声が好きだ。セカイで歌をうたうとき、耳にやわらかな声が入り込んできては、周りを楽しませたいという感情が滲むのだ。その時は類自体もすごく楽しそうだったし、類がこちらを見て笑う時、楽しくてしょうがないといったような顔をしているので、オレも思わず楽しくて笑ってしまう。それはきっと、瞬きの中のような、夢の時間。
 ネバーランドは永遠じゃない。そうやって、まるでわかっているようなふりをする。あと少しだけ微睡にゆだねていたいこと、類は許してくれるだろうか。

9月 01, 2022