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No.16

遠き星より / 基山ヒロト


 ぼくたちは宇宙人でした。ぼくらは陽のもとであるがままの姿へと形を変え、今を生きることになりました。止まった時間は軋みながら動き出した。あるがままの、その姿の時間を。
 忘れたいことも、忘れられないことも、忘れたくないこともたくさんあるよ。だけどオレたちは星の子らとして生きたこと、きっと絶対に、忘れることはない。たくさんの瓦礫、あのぼんやりとした石の光、あたたかな光、やさしいこころ。
 ぼくは。ぼくは、私は、オレたちは、あなたを愛しています。遠き星エイリアより、愛を込めて。

9月 08, 2022