2020.02 『bonus track』 / 敬良
今回の内容の話
元々「夜中に伊勢崎のトイレにつきあわされる佐海」というタイトルでウェブ漫画としてあげようとしていたんですが、気づいたら20Pを越えていたので、こんなんウェブ漫画であげようとしたら永遠に描き終わらなかったな、といった感じです。
ただざっくりとした「伊勢崎は暗闇が苦手」というところから、夜中にトイレしたい時どうしてんの?と思って描きはじめたのですが、描いてる途中で、合宿施設は電気がうっすら灯ってるのか灯ってないのか微妙だなあ、と思ったので、都合の良い構造の建物に宿泊しているヒーローということにしてしまいました。(サイドストで時刻はわからないにしろ、夜に出歩く伊勢崎の姿もあるので……)いろいろとメチャクチャですいません。合宿施設のこと何もわからないな……
昔と変わらないように見えて、決定的に違うようなところをなんとなく感じている、という佐海くんが私の中に存在しているので、そういう佐海くんのイメージで描いています。伊勢崎については「多分佐海くんの前で暗いのがこわくなって蹲ったとは言わんだろうな」と思う反面、「なんかいつもと様子が違うのは漏れ出るんじゃないか」というところで、どうしてもとお願いするときに服を握らせてみたり手を握ってみたり……みたいな動作とかに出たら~みたいな感じでした。一周年のカドストを読む限り、佐海くんは思ったより鈍感ってわけじゃなさそうなので、微妙な「普段どおりとの誤差」とかに気づく時は気づくのかなあと思っています。そもそも第六感が冴え渡ってるはずなので、やっぱりいろいろ予感として気づいちゃうのかもしれない。
佐海くんは色々思い出して複雑な気持ちになったりすると思うのですが、メインストで伊勢崎が襲撃事件の夢を見ていたところをみると、多分昔は暗闇が怖いとかそういう態度は見せないでいたんだろうなあ~なんて思う反面、今ああやって暗闇が怖いって言う伊勢崎を見た佐海くんとか、なんなら柊くんも、どう思っているのかな~なんて考えたりもする……という私の気持ちがあの回想シーンに込められています(詰めが甘いので、ホントはゲーム内で布石されている細かい設定を見落としているかもしれないのですが……すみません)
今までベラベラ色々言ってきましたが(会田のアカウントのことも含む)、実際のところ二人はお互いについて言葉数が少なすぎるので、憶測で心境を探ったり、ものを言うことしかできてないです。なので「思い切って気持ちを定義して言葉にする」か「ぼんやりとした状態のままにする」のどちらかを取らざるを得ないのですが、今回は後者側ということであんな感じになっています。
イメソンの話
すごくきれいなものを選んだつもりでした。この二人のことを幻視しすぎているのかもしれないんですけど、彼らが言葉にしたがらないようなことを、私が勝手に壊れ物みたいに大事にしたい意味でこの二つを選んでいます。難しい気持ちの底に純粋さが含まれているような気がして、なんとなく蔑ろにできないし、できることならしたくないなあ、と勝手に思っています。
タイトルの話
そもそも「ボーナストラック」というタイトルを付ける前に別のタイトルを決めていたのですが、家にあった越谷オサムの「ボーナストラック」という本を見た時に、いろいろ考えてこっちのほうがいいなと思ったのでつけました(まだその本は読んでない)
「本心」とか「BL的な捏造の好意」とか、そういうのはアルバム全曲のうちでは描かれない二人……なんじゃないかという感じでいるので、短編集のときはこのタイトルを流用してナンバリングでもしたいところ。
隠しトラックってBUMPだと大量のbrankが挟まれていたり、他のアーティストでも最終トラックが終わって3分後とかに流れ始めたりすると思うんですが、その間が大事だと思ってて、特に伊勢崎の本心なんかはそういう長い間を経ないと見えないんじゃないかな~というような深さにある、みたいに考えている……という意味も込めてます。エンドロールが終わらないとわからないような感情なんだと思っていたい。ホントはもう一本話を入れたくて、その話でうっすら伊勢崎の気持ちが見えるような見えないような……にする予定でした。無理でしたね。