疾走
きみのやわらかな態度が、笑い方が、こころが、手をとって向こう側へ。俺が握り返さなくたって何度でも話しかけてくれたよね。間にある境界線を許してくれなかった。あのとき奪わさせないといっていたけど、俺に対してもそう思うのかな。本当は、ずっと友達になりたかった。今はあっという間にきみの中にいて、きみの手を握り返そうと思えるし、きみから目を逸らすことだってしない。きみが最初に言ったんだよ、目をそらさないでって。そうでしょ?
重い足取りは随分軽くなっていて、遠くへいるきみが随分とすぐ近くにいる気がしてならなかった。きみが後ろを向いても離さない自信があった。風みたいに駆け抜けていく。そこにいてね、今からそっちに行くからさ。
3月 20, 2025