さまよう / 原藤
一緒にいられることが嬉しかった。至極単純な話だ。あれから時間が経って、随分と隣にいる時間が増えていた。できれば近くにいてほしい。生きていた頃には存在しない、この感情のことを無視できない。いつの間にか生まれてしまったこいつを、どこに置いていけばいいかわからない。原田さん、と俺を見据えるあの真っ直ぐな目を見つめ返したまま、ここにいてもいいかと言えればよかった。真っ直ぐに見つめられるのがどうにも苦手だった、鋭く一等にかがやく星を見つけて、その奥で燻りゆらめく影をみて、それを一身に受けてなおこれを取り出して、お前が受け取っちゃくれねえかと、そんな風に言えたら。
馬鹿ですね、原田さんは。どこかで平助の声が聞こえた気がする。本当、全くその通りだよ。
10月 27, 2025